ワークライフバランスについて考える
2017-01-15 17:15:36
テーマ:静岡本通店
去年の12月に「お仏壇のやまき」は日本生産性本部とワークライフバランス推進会議の主催するワークライフバランス大賞の大賞を受賞しました。
大賞受賞は全国で二社。そのうちの一社ということなのですごいことです。
授賞式に列席させていただきました。
↓ 社長です
ワークライフバランスを日本のトップで推進していらっしゃる方のパネルディスカッションもあり勉強させていただきました。
↓ 三越伊勢丹の会長様や自動車総連の会長様、全日空の社長様です。
当社は社長の強いリーダーシップにより、このワークライフバランスを進めてきています。
当社のワークライフバランスの取り組みについてさらにしっかり実行していけるように、受賞時のレジュメをもとに、あらためて考えてみたいと思いました。
ワークライフバランスとは
ワークライフバランスってそもそもどういうことだろう?という方が多いと思います。
間違って理解されている例としては、「仕事をほどほどにして余暇を楽しむよう本人も心がけ、企業も推進すること」「仕事をする既婚女性や子育ての支援をすること」などです。
それは全くの誤解で、大事なのは限られた時間の中でより高い成果を上げるために仕事の質を向上させていこうという考え方です。
「限られた時間で」というのがキーワードで、それにより時間のゆとりを創出しようというものです。
その考え方を前提にして、「働く人一人ひとりの置かれる立場に対する支援」や「人生(生き方)の支援」することを企業としても目指すものであります。
内容は、一人ひとり違います。
「子育て、介護、自己啓発、社会貢献、治療、スポーツ、趣味、家庭など、生活していくうえでの事柄」と「仕事」の両立を目指すものであります。
さて、やまきでの取り組みです。
~大枠の目標~
業績の向上と勤務時間の最小化(休暇取得と時間外労働の抑制)の両立
家族の在り方について、身をもって理解し、それを自然と販売に活かしていくため、1日24時間のうち家族と過ごす時間を最大化させ、職場にいる時間を最小化させる。
業績向上と勤務時間の最小化(休暇取得と時間外労働の抑制)のトレードオフ(一方を追求しようとすると他方が犠牲になることをいう)の関係を解決する仕組みづくりにチャレンジした。
~具体的なしくみ~
①多能職化
販売現場の作業の仕組みを改め、それまで「レジ」「仏壇接客」「墓石接客」「設計」「事務」など担当制にしていた職務の壁を取り払い、店舗内の従業員がすべての業務をこなせるようにすることで、お客様にもメリットがあるうえに、売り逃しが少なくなり、かつ休暇取得が容易になった。
また、多能職により今まで経験したことのない業務を行う人の新たな視点が加わったことで、業務改善のアイデアが生まれ作業効率の改善につながった。
(従業員の具体的な声)
多能職の導入で最初は戸惑いもあったが、今まで経験したことのない業務(設計や事務など)も行うこともでき、自分の可能性が広がったという充実感とやりがいを感じている。
②ファミリー休暇制度
家族旅行など家族行事への休暇利用を目的とし、公休日を含む連続5日間の年休取得制度。年の前半と後半で2回取得できる。利用時には3万円の手当を支給している。
(従業員の具体的な声)
まとまった休暇を取得でき、手当もいただけるので家族行事があるときには利用している。休暇の利用で生活に精神的なゆとりが生まれ、オンとオフの切り替えが自分自身でコントロールできるようになった、生活の仕方と働き方に変化が生まれた。周りの目を気にせず正々堂々と休める職場環境はありがたい。連続休暇するだけ休暇前後の仕事も工夫しなければならないので、考えながら仕事を進める習慣ができた。そのためにはわずかな時間も無駄にせず先を読んだ仕事をすることが大切であると職場を通じて学んだ。
③有給休暇100%取得のルール
有給休暇を100%消化した場合には会社から10%のボーナス休暇と金一封を付与するルールを導入。年度末までに急病などで休まなければならないことに備えて100%の消化を躊躇することに対応したことで、100%の完全消化を達成。
④時間外労働に対する取り組み
時間外労働の数値的制限を掲げ、それを達成することで人事考課上評価されること(達成しなければマイナス評価になること)を明文化し、従業員の意識を変えていった。
⑤パートタイマー5つの働き方
高齢者スポット勤務 1日4時間週休4日 週12時間勤務
育児支援勤務 1日6時間週休3日 週24時間勤務
介護勤務 1日6時間週休2日 週30時間勤務
家庭の両立支援 1日8時間週休3日 週32時間勤務
フルタイムパート 1日8時間週休2日 週40時間勤務(社員との違いは土日のどちらかが休み可)
⑥プレミアムフライデーの導入
今年から毎月最後の金曜日は14時で帰社。(店内で順番に)
主には、以上のような内容になります。
~現場から今後の課題~
・多能職について一般的にもそうだと思いますが、「仕事が増える印象」や「専門職のほうが成果が上がるのではないか」、という考え方がやはりあります。理解が十分でない従業員への再度の周知が必要と思われます。
・多能職の取り組みで、違う職種に携わった場合、優先する業務がぼやけてしまい優先順位の低い仕事に力を入れてしまうことがあります。本来の一番大事な仕事をおろそかにしないで、時には臨機応変に対応することも必要ですが、それができない人や判断が難しい場合があります。優先する仕事の徹底が必要です。
・店舗内だけでなく、全職種の従業員が「レジ」ができること(繁忙期対策)がまだ不十分です。
・部署によっては、仕事が終わらないから帰れない、休めないということがまだあります。そういった従業員の意識を変えることは大変ですが、根気強く意識を変えるように示すことと、必要があれば、改善方法について一緒に考えていくという方法で対応しなければならないと思います。
~取り組みについて~
当社がほかの会社よりも、進んでこのワークライフバランスに取り組めているのは、社長の強いリーダーシップと社長が本気で制度を考えてくれていることが80%だと思います。あとは働く人が段取りよく仕事を終わらせる工夫をすることと、ワークライフバランスについて理解することで完成するのだと思います。
ワークライフバランスにおいては、仕事をしながら、一人ひとりの人生において、やりたいときにやりたいことがやれる。そんな職場環境を作ることが目標です。遠慮して年休が取れなく、やりたいときにやりたいことができないことが普通でした。改善をして自分で仕事をコントロールすれば、仕事と両立した、自分の違う人生が見えると思います。
私は、子育てはほぼ終わっていますが、家族の介護や自分の体のこと、何が起こるかわかりません。常に仕事と両立できるよう環境を自分自身で整えていきたいです。
静岡本通店 浅野